未来の愛大生へ

2017.06.26
世界に一つだけの花

座古 保 教授

●大学院理工学研究科 環境機能科学専攻
●生体分析化学

 「世界に一つだけの花」をご存知の方も多いと思います。そう、あのSMAPの名曲です。彼らはNO.1にならなくてもいい、Only Oneであればいいと歌います。実はこれって研究の世界にも言えるのです。研究では、世界に一つだけの花を見つける、もしくは世界に一つだけの花を咲かせることがとても重要なのです。
 そのためには、視力が大事です。これは物理的に遠くを見る力ではありません。たとえば、道端に花が咲いているとします。普通の人は気がつきもしません。しかし他の全ての花を頭に入れている人は、今見ている花がこれまで世界で知られていなかったことに気がつきます。これが視力です。いい研究者とは、同じものを見て他の人と違うことを考えられる人なのです。それには自分だけの経験を積み重ねることも重要です。
 現在我々は、金ナノ粒子を用いて(ナノは10のマイナス9乗)、DNAやタンパク質などの生体分子を高感度に検出する手法を開発しています。それには過去に行った顕微鏡を用いた研究が、これまでになかった手法を開発するのに役に立っています。視力をつけるには、今のうちに音楽でもスポーツでも料理でも、なんでもいいので自分が興味をもったことを色々と凝ってみるのがいいです。音楽なら新しいコードを見つけたり、スポーツで自分で技を編み出したり、料理のレシピを改良したり。それが独自の視点を作り、将来研究者になるときに役に立ちます。
 Only Oneはいいことばかりではありません。仲間や理解者が少なかったりすることもあります。ですが、そんななかで新しいものを作り上げる興奮と喜びは何にも代えられません。是非我々と一緒に世界に一つだけの花を探してみませんか?

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